「東雲です。大野先生、ちょっと良いですか?」
「ああ・・・」
私はドアを開けた。
「ん?どうした?」
「・・・お姉ちゃんから聞きました。家に行ったんですか?」
「ああ・・・。一応、家庭訪問的な?」
「・・・」
「どうした?東雲」
「・・・バカじゃないの・・・」
私はドアを閉めた。
「・・・?」
次の日。
「・・・」
「あ、仁菜っ!」
「おはよ・・・」
「ねぇ、大野先生に聞いてくれた!?」
「・・・何を?」
「”何を?”って・・・陸上部の夏合宿に私も同行出来るかって言う話!!」
「あ~・・・」
私は鞄を机の上に置いた。
「ごめん、まだ聞いて無い・・・。それ所じゃなかったから・・・」
「え~・・・」
「今日の放課後、大野先生に聞くから・・・」
「解った♪」

「・・・」
「東雲、線引いてくれるか?」
「・・・」
「東雲っ!聞いてるのか!?」
「え・・・?」
「ったく・・・。東雲、今日は帰れ。夏の大会まで時間ねぇのに・・・そんな半端な気持ちで参加するんだったら・・・帰れ」
「・・・すみません・・・」

「・・・」
回想「夏の大会まで時間ねぇのに・・・そんな半端な気持ちで参加するんだったら・・・帰れ」
「・・・何で、同じ事を繰り返しちゃうんだろう・・・。私って・・・やっぱり、何にも変わってない・・・」
その時だった。
誰かがドアを叩いた。
「はい・・・」
「・・・東雲、俺だ」
「今、開けます」