次の日。
私は有子に先生に言われた事を話した。
「オープンキャンパスか・・・。私、就職希望だからなぁ~・・・」
まさか、宗谷先輩の所に永久就職とかって思ってない?!
「仁菜、今、”宗谷先輩の所に永久就職するんでしょ?!”って思ったでしょ?」
「ギクッ・・・!」
「図星か・・・」
有子は紙パックの苺ミルクを飲んだ。
「で、でも!!事実なんじゃないの!?」
「まぁ、宗谷先輩と長く付き合える訳じゃ無いじゃん。別れる可能性だってあるんだから」
まぁ、有子の事は一理ある。
それに比べ、私は・・・。
「でも、仁菜は婚約者が居るから良いじゃん♪」
そう、私には大野先生が居る。
「大野先生が私の婚約者だって知ったの・・・高2になってからだよ?」
「まぁ、必ず”婚約”から”結婚”に行くとは限らないからね~・・・」
「・・・」

「・・・はぁ~あ・・・」
「どうした?デカイため息なんかついて・・・。幸せが逃げるぞ?」
「宗谷先輩は・・・有子と結婚しようとかって・・・思ってるんですか?」
「ん~・・・まだ解らない」
宗谷先輩は私の隣に座った。
「俺等はまだ若いんだ・・・だから、そんな事は考えられないよ」
「それ、有子に言ったら・・・怒られますよ(笑)」
「・・・東雲はどうするんだ?大野先生と」
「・・・え?」
「お前、大野先生の事・・・好きなんだろ?」
宗谷先輩のその言葉に、顔が赤くなるのが解った。
「まぁ、誰を好きになるのは個人の勝手。でも、相手を束縛するのもダメだしな・・・」
宗谷先輩、貴方って人は・・・。
「・・・そうですね・・・」