まあでも…会ってみたいっていう気持ちもあるし、今さら断るのも面倒だし、結局日時を決めて会うことに。
真人くんは片道約19キロ離れたところから、バスで通学している。
前にも聞いたことがあるんだよね。
何でわざわざこんな遠いところまで通っているのかって。
そしたら"俺の成績じゃここしかねえ"って言われたから…らしい。
でもそれは私も似たようなものだから、人のことは言えないけどね。
「真人くんさぁ、ここまで来るのに大変じゃないの?
バスの時間に間に合うように通学してるわけだし、今日みたいにわざわざ来てまで…」
「確かに大変だけど苦じゃねえよ!
4年間もここに通うハメになっちまったけど、もう一度初めから学べるわけだから、頑張って卒業してやるよ!
今日わざわざって言うけど、俺は舞のメアドと番号知らねえし、あいつに言うわけにはいかねえよ」
あいつ…それって絢乃のことだ。
