「貴方にもありますよ。俺が持っていないもの」

将は沙羅を優しく見つめる。

「人間と言うものはそう言う風になっているのです」
「将様が言うと説得力がありますね」

「それは良かったです。これくらいしか言えませんからね」

そう言って笑った声は穏やかに室内に響いた。