「それじゃあどこか 楽しい所にでも行こうか?」 「楽しいところって何処デスカ」 不審そうな顔でこっちを見る。 「毬藻カートでも乗りに行こうか」 「北海道なの ゲーセンなの それとも遊園地なの。ってか嫌です。 どうせならホントの車がいいよ」 そう言って彼は 人の内ポケットから鍵を取り出した。 「残念、それは家の鍵でした」 いっそ本当の人形ならよかったのに。 【屋上にて 終】