「ちょっと一口ちょうだい」 そう言って、俺のカップを奪い取った。 「危ないだろ」 聞きもせずに、コーヒーに口をつける。 「苦っ。まずっ!」 すぐにカップは返却された。 「君、タバコは吸うのに コーヒーは飲めないんだ」 からかうように言うと、 彼はまたむくれた。 「うっせ。 牛乳あるなら入れろよ。胃に悪いだろ」 自分の肺の事は棚に置き、 今が晩御飯時だからだろうか、 胃に悪いと言いはじめ、 そう言ってから、またコーヒーを奪い取り 自分のから、牛乳を移そうとしはじめた。