桃色の綺麗な桜の花びらが舞う中、ピカピカの制服を身にまとった私は、クラスわけが書かれている大きな掲示板の前に立っている。
身長が152㎝と小さめの私は、チェックのスカートを揺らしながら背伸びをして。
周りの人に押されながらも、一生懸命に自分の名前を探す。
…だけど。
「見つかんない…」
小さく溜息をついて、もう一度掲示板を見ても…ない。

「矢代 桃花さん」

「ハイっ?!」
急に名前を呼ばれて後ろを見ると、そこには今唯一頼れる人物が立っていた。
「勇希だぁッ!」
ホッとして涙が流れそうになったのをグッとこらえて、身長の高い勇希に抱きつく。
「なっ?!」と驚く勇希を無視して、肩に回していた手に更に力を込めた。