「へぇ……、そうだったんだ」 いきなり呼び出すから何かと思った。 「うん、だから、はいこれ。あげる」 そう言って軽く頭を下げながら箱を差し出してくる。 「バレンタイン?」 「うん」 「これチョコ?くれんの?」 聞くと、顔を上下にぶんぶんと振って頷く。 「……何で?」 「好きだから」 一瞬意味がわからなくて、動きが止まった。 「いやいやいやいや」 「ん?」 「いや、ん?じゃなくて。 あんたわかってる?」 「何を?」 きょとん、とした顔でそう聞かれた。 何をって……。