「橘ー、はよ」 「ん?……あぁ、おはよ」 我に返って仲の良い男友達に笑って挨拶を返す。 すると横にいた海がいきなりあたしの制服の袖をくいっと引っ張った。 「……ん?どうかした?」 「むー……、何でもない」 いやいや、その顔。 その悔しそうな顔。 何でもなくないよね。 完全に拗ねてるよね。