オレは姉貴が好きだ。

昨日まで
それが姉貴としてなのか
異性としてなのか
わからなかったが…

今日
目の前で泣いている
碧海(あみ)をみてハッキリわかった。


オレは姉貴として一度もみていないことに!!


碧海はオレの腕をつかんで泣いている
オレはたまらず一人の女の子として
碧海を抱きしめた。


「碧海…。」


オレは長い髪をなでながら
そっと名前を読んでみた。

泣きすぎで肩で呼吸している。


「私の…彼が…
蒼空(そら)くんだったら
こんなに泣くこともなかったかもね…。」


碧海がオレに言ってはいけない言葉を出したことに
気がつかないまま
泣いている。


「碧海…
あいつと何かあったのか?」


聞けば聞くほど
涙は止まらない。

オレの腕の中にいる
このかわいい碧海を泣かした
あいつを殴りたい気持ちが沸き上がっているが…


今は碧海を包んでいたかった。


オレの碧海…

ずっと…

そばにいたんだ。


他の男になんか
渡すんじゃなかった!!


「碧海…
オレは一つ年下だけど
男として碧海を守っていきたい!!」


碧海は小さくうなずいた
…のに、
いきおいよく
オレの腕の中から離れて


「蒼空くん…私たち…」


オレは碧海の
そのあとの言葉を聞きたくなかったから
碧海にくちづけた。


「これから先のことは、
そのとき考えていこう。
今は碧海が必要!!
オレの碧海になってほしいだけ!!」


碧海は
またオレの腕の中に顔をうずめた。


オレの腕の中にいる
かわいい女の子。
本当は姉貴としてではなく出会いたかった。

そんなことは
考えないようにしよう。


愛しい女と
他の恋人たちより一緒に居られる時間が長いのだから…。


「碧海…
愛している…
ずっと…。」




end