「 理士、どうしたの?
瑠香にまだお見合いさせないわよ。 」


なんとなく最近瑠香が
かぁさんを見る目に冷たさが見えてきた。

もしかして
かぁさんの考えを瑠香は知ってしまったのか?


「 何か悩んでる? 」


瑠香の考えを黙って聞いていた。

真剣な目で
オレに語る姿は
かわいい末っ子の瑠香ではなくなっていた。


「 瑠香、今好きな男いるだろう? 」


その言葉に瑠香の顔が赤くなった。




「 かわいい妹、
瑠香ちゃんですからね。
いつでも聞きますよ。 」


自分で
かわいい妹!
と言い聞かせるように瑠香に伝えた。


部屋に飾ってある家族写真を見つめ


「 オレも
そろそろ瑠香から卒業かな? 」


独り言をつぶやいた。


瑠香には言えない。

いや、
誰にも言えないオレの気持ち胸の中に閉じ込めて
カギをかけた。




end