銀色の瞳に映るモノ






「…ってか黒燈くん、ヤバイでしょ。」



いつもの屋上で昼休みに昼食をとっていると、大はしゃぎで美和が言った。



「まぁ、かっこいいよね。」



私はわざと興味なさげに言った。



正直、午前の授業は胸の高鳴りがすごくていつも以上に集中できなかった。



好きになったというわけでは勿論ないが、あんなに綺麗な男の人が隣にいる。



それだけでなんだかソワソワしてしまうものだ。



「授業中もみんな意識は黒燈君に集中してたよねー。」



昼食を頬張りながら美和が大笑いしていると、



「ここ、いい?」



噂の白銀 黒燈が売店のパンを持って目の前に立っていた。



それまで馬鹿笑いしていた美和もピタリと笑うのをやめた。



「ってか、こぼしてんよ?」



黒燈は自分の口元をさしながら言った。



私は口まで運んでいた箸を驚きのあまり口に運ぶ手前で止めてしまったものだから、箸にのっていたゴボウサラダはポロポロとスカートの上に落ちてしまっていた。