銀色の瞳に映るモノ






硬直している生徒達をフフンと何故か勝ち誇った顔で見回した後に、神山先生が転校生に自己紹介をするよう指示した。



「白銀 黒燈(しろがね こくとう)です。」



黒燈の声は低く、首筋がゾワゾワするような甘い声だった。



どれだけ完璧なんだろう、と逆に呆れてしまったほどだ。



「時期外れの転校生ではありますが、皆さんどうぞよろしく。」



簡潔だが礼儀正しい挨拶。



少し暗い印象を受けた。



「それじゃあ白銀は御石の隣にでも座ってくれ。」



神山先生はそう言って私の隣の席を指さした。



周囲の女子生徒の視線がチクチクと突き刺さってきた。



私の隣の机のわきに鞄をかけ、黒燈は小さな声で「よろしく」と囁いた。



彼は教室に入ってきてからニコリともしない。



挨拶の事もあってか、とても暗い人って印象だった。