「それじゃあ、皆もお待ちかねのようだから入っていらっしゃい。」
転校生が入ってきて、女子生徒達はさらに大きな歓声をあげた。
もはや歓声というより奇声と言った方が正しい。
そんな異常な盛り上がりだった。
そんなに恰好いいのかと、周囲があまりにも騒ぐものだから、なんだか私も急に興味がわいてきた。
私は転校生を見て、呆然とした。
モデルの様なすらっとした体型。
目鼻立ちははっきりしていて、女性のような美しい顔立ち。
肌は白いがキリッとした表情のせいか、ひ弱そうな印象は受けない。
髪も瞳も深い漆黒の青年。
噂になり、入って来た瞬間に女子が奇声をあげるのもしかたがない。
今までこんなに美形の男性を私はテレビでも見た事がない。
いや、私だけではなくクラスの生徒全員がそうなのだろう。
奇声をあげた後に皆硬直してしまっている。
男子までもが…

