でもうちは、じいちゃんとばあちゃんには何も言わなかった。


薫里ちゃんのことも、寂しさを感じていることも。


弱さを見せるのをプライドが許さなかったからなのか。


2人を心配させたくなかったからなのか。


理由はあんまり覚えてないけど・・・。


しかも、保育園から帰った家での生活は別段嫌なわけでもなかった。


だから家に帰ると、保育園のことは『まあ、いいや』程度にしか感じなくなる。


もしかしたら保育園でのことは、先生がばあちゃんに伝えていたかもしれないけど。



卒園間近になった日。


小学校で使う教材を買うため、保育園を早退した。


そんなことさえ嬉しい。


保育園に行かなくてもいいなんて、この上ない喜びだった。


うちの家の場所が場所だから、この保育園からうちと同じ保育園に行く人は少なかった。


なんと絢音ちゃんと一緒だったけど。


あと吉川くんっていう、よく分からない男の子とも一緒だった。



埼玉でも、小学校に入る用意してたんだけど。


結局どうしたのかな。


あの時は初めて入る小学校に、友達とさわぎまくったなあ。