----高校2年生、春。 初めて先生に出会った日を今も覚えてる。 出席番号順に座った席がたまたまいちばん前だったあたし。 先生の初めての授業は自己紹介でもなく授業でもなく“雑談” 先生がひとりで世間話をしてるだけ。 みんなは予習をしたり、ケータイを見てたり。 寝てる子だっていた。 でもいちばん前のあたしは「なぁ?」とか相槌を求められるから聞くしかなかった。 それでも、そうやって話しかけられることがなんだか嬉しくて。 あたしの中で先生は『特別』になったんだ。