スマイリー

「…で、つまるところ岩瀬さんの救済を目的に、友達ぞろぞろ引き連れて、我が1年5組に押し掛け、文化祭でも体育祭でもなんでもないただの平日に大宴会って訳ですか」



「かいつまんで言うとそんなところだ。迷惑だったなら謝るよ」



はぁ、とため息をついて、正樹は続けた。



「で、あれですか。3年の強力な後ろ楯を見せつけるためですか、あの方々は」



正樹は、窓際の方で大宴会をひらいているメンバーのうち、あきら、美紅、有華らを順に一瞥して、最後に進に向き直った。



「俺は、大崎と沙優ちゃんを知り合いにさせたかっただけなんだけど、結果オーライってとこだな」



まぁどっちにしろ、と言って、正樹は腕組みした。



「大崎先輩がバックにいるっていう印象はでかい。効果は分からないけど何もやらないよりはずっといいですよ」



「なんか褒められてる気がしないんだが」



「褒める気なんてありませんよ、最初から。もういいですよ。具体的に何すりゃいいんですか」



正樹は、半ば諦め気味に進の頼みを承諾した。何だかんだ言って、正樹も沙優が心配になってきたのだろう、と進は思った。