スマイリー

「ようし、始めるぞ」


数学担当の吉川が教室に入ってきた。



「お前には数学がある。文系の中じゃ立派な武器だ」


あきらは進の肩を軽く叩いて、問題集を出すと、黙々と解き出した。


そんなあきらをしばらく眺めた後、進は教室内を見回した。



有華の姿はなかった。



小さくため息をついた後、進も問題集を広げた。