スマイリー

進があきらに提出したのは、今日のセンター試験対策の点数が書いてあるプリント。



あきらは一枚一枚プリントを眺めて、ため息をついた。



「まともなのは数学だけだな。ああ、待てよ。英語が少し上がってるじゃないか」



前日、進は帰宅後に英語だけ勉強した。前回の対策問題の見直しと、単語や文法などの確認を少々しただけだが、運よく点数に繋がった。



「やればできるじゃないか。まぁ、まだ西京はおろか心学社も夢のまた夢だけどな。英語が上がれば他も上がるっていうし」



「ナイスフォロー」



進はプリントをあきらからひったくってカバンにつっこんだ。



「おいおい。元気ないな」



「そりゃあなぁ…今日はひどすぎるよ。確かに英語は良かったけど、まだ大学のボーダーにも届いてないし」



進は筆箱と数学の問題集をカバンから出して、うなだれた。



「あー、でもよう、対策問題って、センターの本試験よりもちょっと難しいんだぜ」



あきらが慌ててフォローした。



「…それにしたってお粗末すぎる。国語の点数見ただろう?」



昨日までの前向きな自分はどこに行ったんだろう。現実は思ったよりも厳しい。



「まぁ、国語の半分は古典だろう。勉強次第でまだ上がるよ。生物だって今回は難しかったぞ?俺でさえ60点そこそこだったし」



「それでも俺の倍はある」



あきらは口をつぐんだ。