「ふたりとも、よく部活来てるんですか」
ジャージに身を包んだ敬太と大地は、コーチさながらの貫禄を見せている。
「ここ2ヶ月くらいかな?だいたい隔週で見に来てるよ。ふたりとも暇でさ」
敬太が笑顔で答えた。
「たまに市川も来る。あいつは月に1回くらいかな。家遠いし」
大地の補足に、進は思い当たる節があった。
「ここ2ヶ月っていうと、去年の12月ごろからですか」
「そう。聞いてよ、進。大地のやつ、藍とケンカしてたらしいよ」
やはり。12月といえば、藍とふたりで夕飯を食べに行ったころだ。
「そうなんですか?」
何も知らない風を装って、進は大地に尋ねた。
「まぁ、ちょっとな。そしたら2ヶ月前に急に連絡が来てさぁ、謝られたんだよ。なぜか」
その真相は進が一番知っている。もともと犬猿の仲だった藍と大地は進路のことでケンカをして、そのまま別々の大学に行っていた。
だが進と話すうちに、藍も悪かったと思い始めたらしい。
“大地のヤツがどこで何してるか知らないけど、謝らなきゃいけないわね”
あのとき藍は、そう進に語りかけた。

