昨日、一昨日の“帝大英語”では、5割から5割5分程度は得点できていた。部分点を合わせれば6割を切る程度か。
国語は5割5分から6分でキープ。国語という教科の性質と、進との相性を考えれば、伸びて6割といった所だろう。
数学なら、うまく出題傾向をつかめば6割5分も不可能ではない。内容によっては7、8割得点できる可能性もある。昨日の過去問で証明済みだ。
となるとやはり英語だ。偶然でもなんでもいいから、せめて6割。あわよくば6割5分。それだけあればあとは数学でカバーできる。
そう考えてみると、1ヶ月という期間が異常に短く感じる。
とはいえ短さを嘆いたところで入試が先伸ばしにされることもなし。とにかくやるしかないのだと思った矢先、長文の文章表現につまづいた。
“なんだこれ。文の構造が全く分からん”
有華も教室で自習している。疑問は早いうちに解決するに限る。
ところが、先ほどまで確かにあった有華の姿は、忽然と廊下側の最後尾の席から消え去っていた。

