敬太は人畜無害な笑みを顔に張り付けたまま、進を諭した。
「進が正しいよ。部活はみんなでやってくものだし、100位で部活やめる約束なら、ちゃんと100位以内をキープする努力をすべきだと思う」
そう言うと敬太は立ち上がり、大きく背伸びをした。
「でも、100位をとるのが簡単っていうのは、あくまで進から見ての話だよ。計算上は、3人にひとりは必ず100位以内に入っていないと言うことになるし」
「ちゃんと教科書読んで予習すれば入れますよ」
「まぁ…そうなんだけど」
敬太は苦笑して、さらに話を進めた。
「例えば、進は西京大だったら模試でA判定が出るよね」
「それが何ですか」
「じゃあ、“東都大がA判定でなければ陸上部をやめろ”って、言われたら、進はどうする?」
「何の話をしてるんですか」
進は怪訝な顔で敬太に尋ねた。
「とりあえず進は今、東大に受かる?」
「まぁ、多分無理です」
構わず話を続ける敬太に、進は諦めて素直に返答した。
「じゃあ進は、陸上部をやめることになるよね。そこを止めるのが天才の俺ね、一応役柄として。『何で陸上部やめるんだ、進。東大A判定なんて勉強すればぱっと出るじゃないか』。はい、どう思う?」
「…先輩の言いたいことはだいたい分かりました」
「さすが、理解が早いね」
眉をくいっと上げて、敬太が意味深に笑顔を見せる。
「進が正しいよ。部活はみんなでやってくものだし、100位で部活やめる約束なら、ちゃんと100位以内をキープする努力をすべきだと思う」
そう言うと敬太は立ち上がり、大きく背伸びをした。
「でも、100位をとるのが簡単っていうのは、あくまで進から見ての話だよ。計算上は、3人にひとりは必ず100位以内に入っていないと言うことになるし」
「ちゃんと教科書読んで予習すれば入れますよ」
「まぁ…そうなんだけど」
敬太は苦笑して、さらに話を進めた。
「例えば、進は西京大だったら模試でA判定が出るよね」
「それが何ですか」
「じゃあ、“東都大がA判定でなければ陸上部をやめろ”って、言われたら、進はどうする?」
「何の話をしてるんですか」
進は怪訝な顔で敬太に尋ねた。
「とりあえず進は今、東大に受かる?」
「まぁ、多分無理です」
構わず話を続ける敬太に、進は諦めて素直に返答した。
「じゃあ進は、陸上部をやめることになるよね。そこを止めるのが天才の俺ね、一応役柄として。『何で陸上部やめるんだ、進。東大A判定なんて勉強すればぱっと出るじゃないか』。はい、どう思う?」
「…先輩の言いたいことはだいたい分かりました」
「さすが、理解が早いね」
眉をくいっと上げて、敬太が意味深に笑顔を見せる。

