スマイリー

1、2年は授業中で、昇降口にはほとんど人気がなかった。



「そういえば、センターできた?あ、ていうか聞いて良かったのかな」



「おかげさまで」



コーヒーを一口飲んで、進は事も無げに答えた。あまり嬉しさを前面に出すのは有華に格好がつかないように思った。



「とれたんだ!進ならやると思ってた」



有華はしゃがんだままくるりと進の方に体を向けて、立っている進を見上げ嬉しそうに小さくガッツポーズを作った。



「サンキュー」



その姿は妙に魅力的で、進はやっとのことで有華の顔から目をそらし平静を装った。



「大崎はどうだった?お前から聞いてきたってことは、俺が聞いても大丈夫ってことだよな」



あきらと同じことを言ってみた。進は自己採点のときの有華の浮かない様子が気になっていた。センターが悪かったなんてことは、秀才の有華からはまず考えられないけれど、関係がなくもないのでは、とも感じた。



「え、あたし?」



案の定、有華は笑顔の中に当惑の表情を浮かべた。



「お前以外に誰がいる、今ここに」



「んー、あたしはねぇ」



くいっと首を傾げて、言いづらそうに有華は苦笑した。その姿も妙に可愛らしいのは、進の主観的な部分が作用しているからか。