「あれ、なんで俺が大地さんのこと褒めなきゃいけないんだ…」
我に返って進は驚いた。藍を慰めるつもりが、変な方向に話題が逸れてしまった。
「あんたねぇ…あァ、もう。良いわ。なんかすっきりした」
柔らかな笑顔が、薄暗い公園の明度をぐんと上げた。
長い付き合いで麻痺してしまっているのか。もしかしたら藍はとんでもないレベルの美人かもしれない。
“…何考えてんだ俺は”
思考のブレを理性で正すと、一方の藍は本当に吹っ切れた顔をして、話し出した。
「あたし、彼氏と別れてなんだか変な感じになっちゃってさ。学校も結構サボりがちになって、バイトも楽しかったはずなのに、もともとデート資金のために始めたから。急に目的意識が薄れちゃった」
自嘲気味に笑うと、藍はベンチから立ち上がり、伸びをすると、進に向き合った。
「高校時代の『市川藍』はどこに行っちゃったんだろうって。悩んだ悩んだ。一人暮らしで、しょーもない悩みだから親にも友達にも話せやしなかったわ。今までは何でもノリと気合いで解決できたのに」
笑っている藍が、こんなに悲しそうに見えるなんて。
進は涙が出そうになって、慌てて目をこすった。
我に返って進は驚いた。藍を慰めるつもりが、変な方向に話題が逸れてしまった。
「あんたねぇ…あァ、もう。良いわ。なんかすっきりした」
柔らかな笑顔が、薄暗い公園の明度をぐんと上げた。
長い付き合いで麻痺してしまっているのか。もしかしたら藍はとんでもないレベルの美人かもしれない。
“…何考えてんだ俺は”
思考のブレを理性で正すと、一方の藍は本当に吹っ切れた顔をして、話し出した。
「あたし、彼氏と別れてなんだか変な感じになっちゃってさ。学校も結構サボりがちになって、バイトも楽しかったはずなのに、もともとデート資金のために始めたから。急に目的意識が薄れちゃった」
自嘲気味に笑うと、藍はベンチから立ち上がり、伸びをすると、進に向き合った。
「高校時代の『市川藍』はどこに行っちゃったんだろうって。悩んだ悩んだ。一人暮らしで、しょーもない悩みだから親にも友達にも話せやしなかったわ。今までは何でもノリと気合いで解決できたのに」
笑っている藍が、こんなに悲しそうに見えるなんて。
進は涙が出そうになって、慌てて目をこすった。

