「へー、芽依ちゃんって体育委員なんだ。じゃあ俺も掃除やればよかったなぁ。」
そう言って未来くんはイチゴ味のジェラートをスプーンですくった。
もし未来くんが掃除に参加したら、クール王子と小悪魔王子の2人がいて、女の子たちは大騒ぎだろう。
それは危ない。
「未来くんって…彼女いるの?」
ふと疑問に思った。いつもたくさんの女の子たちに囲まれていて、カワイイお店もいっぱい知ってるし。
「あぁ~…俺特定の女の子は作らないの。」
「へっ?」
「だってさ、彼女って束縛するじゃん。女の子と遊ぶにも許可が必要だし…面倒なんだ。」
そう言って、にっこりと笑う。
「たくさんの女の子と楽しく遊んだ方が、自分には合ってるんだよね。」
うーん…
なるほど。そう言う恋愛もあるんだ。
悠真みたいに、一直線に1人の女の子を追い掛ける場合と、未来くんみたいにフリー恋愛主義者。
「あっ、でも…1番大切な女の子は今のところ芽依ちゃんだから安心してね!」
「えぇ!?」
「はい、あーん」
そう言って、私の口にスプーンを入れた。甘ずっぱいイチゴの香りが口いっぱいに広がる。
「さすが小悪魔王子…」
「ん、なぁに?」
未来くんはきょとんと笑った。

