「息子の遥、彼方、未来です。」



そう言って、紹介された和人さんの息子さん達。
目の前に座る3人のうち、1人は知っている人だった。



「さっ、坂井くん!?」

「娘さんって、吉沢さんだったんだ…」



特に驚いた様子を見せない坂井くんに、私は驚いた。



坂井彼方くん。
クラスメートであり、うちの学校の生徒会副会長長をしている。
かっこよくて、成績優秀。いつも冷静かつクールで有名。
しかも、言い寄る女子を一刀両断らしい。

そんな彼は、女の子の間でクール王子と呼ばれている。


実は私の苦手な人だ。