王子様と甘い生活


しばらくすると、教室に坂井くんが入ってきた。あぁ、間にあったんだ。

今朝も起きなくて大変だったんだ。昨日のことがあったから、起こしたのは未来くんだけど。


坂井くんが席に着くと、周りの女の子たちがざわっと騒ぎ始めた。
やっぱり、坂井くんってモテるんだ。



「芽依!おはよ」



明るい声に心臓がドキッとした。
だって、声の主はー…



「ゆっ悠真、おはよう」



中学生の頃から、恋をしてる悠真のものだからだ。



「今日、臨時の委員会があるってさ」

「あっ…わかった」



偶然一緒になれた体育委員。
臨時委員会だなんて、ラッキーすぎる。



「忘れんなよ!」

「それは、悠真でしょ。」



そう言って、にっといたずらに笑うと、悠真は友達のところへ戻っていった。

ちょっと意地悪で、笑顔がかわいくて、悠真がその場にいるだけで周りは明るくなる。


そんな、太陽みたいな悠真の隣は安心するんだ。