教室に入れば、彼はもう教室にいて、もう他の男子と仲良く喋っていた。


…人見知りなあたしとは大違い。


彼の前を通り、指定された自分の席に座った。


…目も、合わせない。


こんなんでも、彼とあたしは幼なじみ。


「ゆず、おっはよ〜!」

「きょうちゃーん!」

鈴木 京香。

中学の頃からの親友。

「寂しかったよぉ〜」

「ぁーはいはい。しっかし…あんたの幼なじみさんは相変わらずで」

「…うん」

しばらくして、「陽太く〜ん」なんていう女の子の声まで聞こえてきた。


…胸が、痛い。