「アイツがしてること、教えてやるよ」 「…ゃっ」 片方の手が、あたしの首に触れようとしたときだった。 「そんな事して、女は帰ってきませんよ先輩」 「ぇ…」 声がした方を見ると、陽太と同じクラスの男の子・凪原くんがいた。 「夏村…」 「女取られた腹いせに、俺の幼なじみいじめるんすか?」 「いじめる? 手ぇ出すの間違いだろっ?」 そう言うと、陽太は先輩に殴り掛かった。 「ちょっ、陽太…?!」 あたしは先輩を殴る陽太の手を両手で止めた。 もう2人の先輩は凪原くんが止めている。