「五年、ね…」
「…」
「俺は、柚のことしか考えてなかったよ」
「///」
「頑張って必要な分のお金貯めるのに五年かかっちまったからなぁ…。
貯まった瞬間、帰ってきたよ。あと、準太が高校生になったってのもあるけどな」
「…お金?」
「よし、着いた」
着いたのは…最後のデートをした、水族館。
「…」
「柚、こっち」
陽太はあたしの手を掴んで、五年前、約束した場所まで連れて来た。
「わぁ…」
変わってない、この景色。
夕陽が、海を照らしていて、とてもきれいだった。
「柚」
「ん…?」
陽太は、真剣な顔で、そっと微笑んだ。

