「んじゃ、車に乗って」 「車…? 陽太、車買ったの?」 「ん、いちよう」 あたしは助手席に座った。 「柚ん家でいい?」 「え? 知ってるの?」 「は? …まさか、一人暮らし?」 あたしは小さく頷いた。 すると、陽太はため息をして、肩を落とした。 「すっげー反対されただろ」 「うん…。でも、国立大合格したら一人暮らしって約束したから」 「…はぁ。柚は、五年経っても無自覚無防備は健在か」 「?」