「…別に来なくてもいーのに」 陽太は、ため息混じりにそう言った。 新幹線が発車するまで、クラスのみんなで陽太を見送りにきている。 もちろん、あたしもだ。 「嬉しいくせに!」 凪原くんが、ニッと笑って言う。 「悪いけど、俺は柚だけに来て欲しかったんだけど」 「ぇっ//」 「お前ってほんと椎名に一途なのな…」 「今更だろ?」 「はいはい。んじゃーな! …絶対帰って来るんだろ?」 「当たり前」 陽太と凪原くんは拳を合わせた。 そして、あたし以外のクラスの人は、ホームを出て行った。