そして、日が進み、気づいたら、夏休みが始まろうとしていた。 今日、夏休みが始まる。 それと同時に、陽太がこの街を離れる。 「…ねぇ、柚。本当にいいの?」 京ちゃんが何度もそう聞いた。 あたしは、毎回同じ言葉を返す。 「大丈夫だよ!」 精一杯の笑顔で。