それから、下駄箱まで来ると、一人の女の子が陽太の顔に、自分の顔を近づけた。
…同じ学年の子っぽい。
「なに」
陽太はめんどくさそうに聞く。
すると、女の子はあたしをギロリと睨んだ。
「この子なに。幼なじみでしょ?」
「彼女だけど。その情報古いぜ。ってことで退いてくんない?」
笑顔でいるけど、『コイツウザイ』と顔に書いてあるようだ。
「彼女…? 特定の?」
「それが?」
「…あっははは!」
陽太がそう言うと、突然爆笑し始めた。
「あんたが?! 特定の彼女?!」
女の子は「バカらしい!」と大笑い。
陽太の顔は、どんどん険しくなっていく。

