悪魔のようなその笑い声に圧倒されつつも、何とか正気を保っていられるようにと身を固め、黙って扉の話を聞くことに専念した。
「精々黒焦げにされないよう気をつけな。ではさっそく、お一人様ご案なぁ~いっ!」
開かれた扉の先の赤黒い光に、僕は自らの意思でなく、ほぼ強制的に引きずり込まれた。
「うわぁぁぁぁぁっっ!!」
叫び声を上げながらそのまま急降下。
僕の薄ぼけた魂だけの肉体は、落下先の火の海に呑まれた。