の粒が弾けた。
同時に、目の前の大樹を囲むようにして、赤、青、白、黒の4つの扉が現れた。
「なっ・・・!?何これ・・・扉・・・?」
さっきまで無かったはずの扉が今、確かに僕の目に映っている。
周りの魂たちの顔を覗いてみれば、ある一人を除き、扉の存在には気づいていないようだ。
そう、そのある一人というのは、僕と同じで、学ランを着たままぎこちなく片手剣を装備しているさっきの少年だった。
少年もまた、僕の視線に気がついたらしく、こちらに顔を向け、硬直している。
互いに顔を見合わせ、判りきった質問を交わす。
「見える・・・?」
「見える・・・。」
口の中にたまった緊張の唾を、二人同時にゴクリと音を立てて呑みこみ、改めて扉に目を向ける。
一歩、また一歩と扉に向かって歩き始めた僕の足には、恐怖というより、好奇心の色のほうが強く滲み出ている。
一番手近にあった赤い扉の手前で立ち止まると、ゆっくり、その手をドアノブに向け、近づける。
ドクン、ドクンと、次第に心臓の音が早くなっていくのを感じた。
あと少し、あと一センチ・・・。
ゆっくり近づけた僕の手に、ひんやりと冷たいドアノブが、僅かに触れた。
瞬間・・・。
「ヒャハハハハァッ!ようこそぉ、火を司る竜、アイラルムが住まう灼熱の世界への入り口えぇ!!」
扉から顔のようなものが噴出し、高ぶる声で僕に話しかける。