恐れていたことが起こってしまった。
死後の世界での殺し合いが・・・。
狂った魂の様子は、まるで、神に踊らされている道化のようで、外野から見たその光景は、哀れなピエロが演じる終焉劇。
もちろん僕もその役者だ。
剣を抜き、真っ赤な絵の具を舞台に撒き散らせる悪魔の道化。

(みんな・・・消えちゃった・・・。)
刃を滴る血。
何も無い。誰もいない。
紅の竜が流したものは、涙なんて生易しいものじゃなく、僕らの・・・僕の欲望を刺激する、一粒の争いの種でした。
「はは・・・あははっ!」
声を上げて笑った。
額にかかった他人の血が心地よかった。
ずっと眠っていた何かが、僕の中で覚醒してしまったようだ。
血を求める死神が・・・。
そして僕は、ここに来た時と同じように、暖かい光に包まれ、残骸を残したまま元来た場所、楽園へともどった。
再び、戦いの本拠地へ・・・。

炎の海から、美しい大自然の世界へと舞い戻ってきた僕は、そこにいた魂たちの数が減少しているのに気づいた。
いや、気づかないほうがおかしいと言っていい。
何億もの魂が、この短時間で十いくつかに減っていた。