感触を感じない僕の手に、あんなに強く握られていたはずの剣が、あっさりと僕の手から離れて、憎らしいほど輝いている銀の刃が、何かに突き刺さっていた。
水竜の眼球だ。
水竜は、断末魔の叫びを上げ、光の粒になって消えていった。
一つだけ残った青い球が、ぽちょんと音を立てて、水の中に沈んでいく。
きっとあれが、竜の涙なんだ・・・。
(なんだ・・・僕・・・とんだ無駄死にかよ・・・。)
僕は、青い光に向かって、呆れたように笑った。