さくり さくり



指については離れる軽やかな感触を楽しむ。

「そろそろいい?」

なんて言葉も気にせず両手でさわっていく。

痺れを切らした彼は私の腕をするりとかわす。

「そんなに気持ちいい?」

呆れたように薄く微笑む顔も

私の好きな表情。

でもやっぱり一番好きなのは、



『だって気持ちいいんだもん。大好きだよ


      啓の髪。』