「紫織ー、今日夜遊びに行かん?」
放課後。
帰ろうと鞄を持った時にクラスメートからのお誘い。
一瞬立ち止まって考えるフリ。
答えは、決まってる。
「ごめーん、今日他の子と遊ぶし」
「いっつもそれやんっ」
「ごめんって!!!ほなねーっ」
そう、断ること。
私は同じ学校の子とは遊ばない。
一つのグループに属さない私は色々誘われるんやけどね。
でも理由はちゃんとある。
「あ、リップ忘れた」
ふと思い出し、再び教室に向かう。
けど、教室には入れなかった。
「紫織ってさー、絶対男受け狙ってるくなーい?」
「しかも誘っても断るし、たまにはなんか奢れっつーの」
「親金持ちやっけ?」
「お嬢様気取り?夜遊びしても怒られへんのっていいよなー」
理由は、これ。
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