お兄様は…

「不思議そうな顔してるけど、彼等には婚約者がいるの」
「だけど恋愛と結婚は・・・・」
説明するから聞いてねと杏は話し始めた
「彼等は、産まれた時からある程度の人生が決まってるの、良い所のお坊ちゃまだから、学校、結婚相手、仕事先、これらは選択肢がないの。それは、此処に通ってる生徒の半数以上の人たちに言える事・・・・・彼等は結婚まで遊びたいからなんって理由で此処の女の子には手を出さない、後々面倒な事になるから、だから、手を出すなら他の学校の子だよ、それも割り切った関係限定。本気で好きになっても、一緒になれる可能性はゼロに近い」
「で、でも・・・・・」
なんだか言葉もない、真剣に考えていると横から笑い声が・・・って
「えっ?なんで、まさか・・・杏!」
「あ~はははは・・・嘘だよ。マジ受ける・・・・そんなの今時・・・・・ってゴメン」
私の殺気を感じたのか、ゴメンを言い続ける杏
「ってか、どこまでが嘘なの?全部?」
「全部じゃないよ。婚約者はいないけど、生徒会の人たちが人気あるのは本当だよ」
「それだけ?」
あんだけしゃべって・・・・
「ウン」
ってそんな笑顔で言われても・・・・・・
「なんかさ~からかいたくなって」
えっ急に?
「だってさ~椿姫に会いに嵐先輩が来るかと思ったら来ないしさ~」
えっ~それだけのために・・・・・なんなのこの娘
「そろそろ、授業が始まるから行こうか」