ちょっとー、
人の話は最後まで聞こうか、優香さん。
そう言いたいのを我慢して私は違うことを口にした。


「知らないから、聞いてるんじゃない。」


そう返したことに、またまたビックリしたようだけど、優香は話始めてくれた。


「悠真くんっていうのはね、1個上の学年なんだけど‥」


ああー、通りで知らないわけだ。
‥ん?でも、知らなくて当たり前の人のことを、知らないって言って、どうしてあんなにビックリされなきゃいけないの?


「ちょっと、千晴聞いてる?」


「あ、ごめんごめん。続けて?」


私がそう言うと、優香はまた話し始めた。


「千晴、大月グループって知ってるよね?」


「もちろん。」


大月グループって少し前から急成長をしてる大手企業のことだよね?
それと悠真くんって人とどんな関係があるの?


私が頭の中で考えていると、それを見透かしたように優香が言った。


「悠真くんは、そこの一人息子なの。」


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