君へ。

小林サンの家は新築で綺麗な家だった。

庭でやるらしくもうすでに準備は完璧だった。

小林サンの家はちょっと高い場所にあって策の向こうは海が見えた。
太陽は沈みきっていて月がふんわりと浮かんでいる。

波は静かに一定のリズムで耳に流れ込む。
空には無数の星がきらめいていて、目を奪われるほどだった。


しばらくすると全員集まり宴会にも似たバーベキュー大会が始まった。
もぉそれからはどんちゃん騒ぎで食べて飲んで遊んでしゃべってまた飲んで。

常に笑いは絶えなかった。
驚いたのが木田クンは意外にも酒豪だということ。
ビールをジョッキで何杯も飲んでいた。


そんな所もカッコイイと阿保みたいに見とれていてゆうちゃんにからかわれたのは言うまでもない。





気付いたらもう朝方だ。
夏の朝は早い。もう朝日は上がっていてその景色も素晴らしかった。

座椅子に座りテレビを見ていると横でバタッという音がした。
ビックリして見てみると、原因は木田クンだった。

仰向けに倒れるように寝てしまっている。
その寝顔は何ともかわいくて、愛しい気持ちにさせた。



アタシは寝顔をぼーっと眺め無防備だなぁ何て思っていた。





触れてみたいと



その柔らかそうな髪の毛に。





手をのばしたけど




そんな勇気は毛頭なく、




すぐに手を引っ込めた。






こんなアタシに好きと言える日は来るのだろうか。
何だか不安になって来た。