正直、アタシは幸田クンは結構軽く見てて女遊びとか激しそうだなって思ってた。


でも、こんなに切なそうな顔をする人が軽い訳がない。

『アタシ、応援する』


自然と言葉が出た。彼氏から貰った指輪を幸せそうに見るゆうちゃんを見てるのに、凄く幸田クンを応援したくなった。


「…ありがと!」

万遍の笑みでお礼を言う幸田クン。アタシも自然と笑顔になれた。


「………それと」

続ける幸田クンに首をかしげる。
幸田クンはニヤッと笑い、



「梅田サンも頑張って♪木田の事ならオレに聞けよ!」




…………は?



『えっ!!知ってたん!?』
動揺しまくりのアタシを笑う幸田クン。
何でだ!?ゆうちゃんしか知らないはずっ!!!


「そりゃあんな態度木田にしかしてなかったら気付くし!誰にも言わんしさ!オレ協力する」


『ハハ(笑)ありがと』

あぁー…なるほど。態度ね。
まぁ、最近よく話してるしなー、
今度からは気をつけよう。

「木田、結構鈍感だから本人には気付かれてねーよ」

その言葉に少し安心した。
もし、気付かれて避けられようものならアタシは立ち直る自信はない。


『そっか、…まぁお互い頑張ろうか!あっ、木田クンの事ゆうちゃんは知ってるから!』

「ハイハイ、了解(笑)悔いのないよぅにな!」

そう言って幸田クンは、もう時間だからと仕事場に戻った。


'悔いのないように'その言葉が凄く胸に残る。
アタシの初恋は悔いだらけで終わった。今回は二度目の恋。
もう、前のように辛い思いするなは嫌だ。今度こそ、幸せな自分を手に入れる。
アタシは手をぐっと握りしめた。