「………………」
『………………』
アタシはこれでもかというくらい目を開いて泳がせる。
止まっていた涙がまたせきを切ったように
次々と流れ始めた。
『……うそ……』
やっと言葉が出た。
「嘘やない」
『…だって…いっつも友達感覚で……』
「ただの女友達にプレゼントなんかしない」
『……あれは…お詫びだって……』
「あんなん口実やし(笑)」
『……彼女にしたい子って…』
「梅田サンの事」
木田クンはアタシの問いに一つ一つ答えてくれた。
そして、握ったままの手を引き寄せギュッと抱きしめてくれた。
「待たせたみたいで……ゴメンなぁ?」
アタシは木田クンの顔を見ようとしたけど、すぐに頭を押さえられた。
一瞬見えた木田クンの顔。
耳まで真っ赤になっていた。
今、物凄い速さで心臓が波うっている。
手が震えてる。
でも幸せで、満ち溢れていた。
「『好きだよ』」
春の風が
二人を包み込んだ。
完