「まだ会社に入りたての頃だったかしらねー。めちゃくちゃ気が合う奴がいるんだーって!最初はその子男の子だと思ってたんだけど、名前聞いたら女の子なんだもん!ビックリしたわぁ♪」


アタシの頬は緩み出す。

今情けないくらいの顔になってんだろうな。


「翔太から女の子の話なんて聞いた事ないから、この前会えた時は嬉しかったのよー?あぁ、この子かぁって!」


『アハハ、こんなんですみません』


「なんでぇ!?想像以上に可愛かったからビックリしたのよぉ?」


『えー!可愛くないですよー』

アタシは照れながらも嬉しかった。木田クンのお母さんからそんなふうに思ってもらえて。


「あなたが娘になってくれたら嬉しいのにねー?」


おばさんの言葉にアタシの顔は真っ赤になる。


「あの子の事、よろしくね」


おばさんは優しい笑顔で言う。




あ、この笑顔木田クンにそっくり。
アタシはぼんやり考えながら笑顔でこたえた。


「じゃあ私は帰るわね!」


『えっ!寄ってかないんですか?』

「んー今日は翔太に来るなって言われてたし、なんでかと思って来て見たけどだいたい分かったから帰るわ♪」


おばさんは怪しい笑顔を浮かべるとじゃあねーと言って行ってしまった。