おばさんがお茶をくんで来てくれて話始めた。


話の内容は木田クンの幼少期。



おばさんは懐かしそうに、たまに嬉しそうに笑いながら話している。


アタシはその話を興味津々に聞いていた。だって聞けば聞く程知らない木田クンが出て来て、もっと好きになれるから。



「でね?その時翔太ったら――」


『アハハ!そうなんですかぁ―』

話は止まる事なく盛り上がるばかり。
軽く1時間は木田クンの話ばかりしていた。


「フフッ♪ゴメンねぇこんな話ばっかりして」


『そんなぁ!めちゃくちゃおもしろいですよー』


話を聞く限りおばさんはホントに木田クンの事大事にしてるのが分かった。


親として、木田クンをちゃんと見てる感じ。


「でもねー最近全然話してないのよー。会社の事とか新しく出来た友達の事とか…昔は帰って来るなりその日あった出来事話してくれたのにぃ」


おばさんはお茶を飲みながらため息をついた。

アタシもお茶を一口飲む。


「あの子、基本優しい子でしょ?頼まれたら断れない子でねぇ、仕事で無理してないか心配で。帰りもいっつも晩いし」


おばさんの心配そうな顔を見ると何だか胸が締め付けられた。

おばさんの気持ちはよく分かるから。アタシも木田クンの働きぶりを見て大丈夫か心配になる。