君へ。

「でも可愛いお母さんやね!」

ゆうちゃんがニカッと笑う。


『アタシも思った!木田クン似てるし!(笑)』


「えー?そうかぁ?てことはオレ可愛いの?(笑)」


『アハッ!可愛い可愛い♪』

「うんうん!男にしとくのもったいないね」


「えー!嬉しくねぇッ(笑)」


少しの間病室には笑い声が響いていた。
会社の事やテレビの話をして盛り上がっていると時間も忘れていた。



その時。


「木田さーん!もう面会時間終わりですよー」


熟年してそうな看護婦さんが中に入って来た。



「うわっ!もう8時やん!」

『時間なんてすっかり忘れてたなぁ』


「ほな、帰ろうかこころ!」

ゆうちゃんが鞄を持って立ち上がる。


『うん!じゃあお大事に!また来るから、バイバーイ』


アタシも鞄を持って立ち上がる。


「おぅ!じゃあなぁ!」


手を振って病室を出た。



木田クンは日に日に元気になっていってるみたいでホントによかった。

「まさかおばさんに会うとはなぁ!」


『あぁ、めっちゃビックリした!』


「いい人そうでよかったやん!これで嫁に行っても大丈夫(笑)」


『ちょっと!!決まった訳やないんやから!(笑)』


アタシ達は笑いながら病院を後にした。


その日はものすごく星が綺麗で木田クンも見てるかなぁなんて考えていた。