「ここ」


池内サンがある病室の前で止まった。





“木田翔太様”





ゴクリと唾を飲む。



ガラガラっとドアを開けると幸田クンが目の前に立っていた。



「ぉわ!…あ、池内サン。……と?田中サン!梅田サン!」



幸田クンが後ろのアタシ達に気付いた。



「どう?木田クンは」


ゆうちゃんはアタシの手を引いてベットに近付く。そして息を飲んだ。

『……っ!』



ベットの上には痛々しい姿をした木田クンが眠っていた。



頭と腕にグルグルと包帯が巻いてある。
頬や口元にかすり傷があった。




「小林サン、早瀬サン。まだ木田クンは目覚まさないんですか?」

ベット脇に座っていた二人にゆうちゃんが聞く。