「おれもアンタの笑った顔、 見てるの好きなんですよ。 名前呼ばれるのも、好きです」 だから、と彼は言う。 それなら俺は、少しでも 彼の気持ちに答えられるように。 彼の笑顔が見られるように。 「……じゃあ、貼り紙でも作るか」 謝るの禁止って。と、 へラッと笑うと、彼も笑った。 「壁にでも貼っとくんですか?」 「おうよ」 「おれも手伝います」 そうやって何故だか、 よく解らない標語まで作ってしまった。